平安時代、陰陽師として名を馳せた安倍晴明。
しかし、彼の真の力は何だったのでしょうか?
この記事では、安倍晴明の歴史的背景と役割、そして晴明が使役したとされる神秘的な式神たちに迫ります。
安倍晴明という人物がどのようにして伝説的な陰陽師となったのか、その影響力の元となった式神の基本概念から特徴、さらには晴明が使役した十二天将までを詳細に解説します。
また、文学や芸術、現代社会における安倍晴明と式神の影響にも触れていきます。
安倍晴明と式神の神秘に包まれた世界を、この記事を通じて解き明かしましょう。
安倍晴明とは:平安時代の伝説的陰陽師
安倍晴明の歴史的背景と役割
安倍晴明は、平安時代に活躍した伝説的な陰陽師で、その生涯は多くの文献や伝承によって語り継がれています。
晴明は陰陽寮(おんようりょう)に所属し、天文や暦、卜占(ぼくせん)などを扱う重要な役割を担っていました。
陰陽師、陰陽寮とは、それぞれ当時の役人、役所を指します。当時の朝廷は、大陸から伝わった知識や技術を基に、天文学や暦学などを陰陽師に研究させていたのですね。
このような背景の中で、安倍晴明は高い知識と技術を持つ陰陽師として朝廷に仕え、多くの伝説を残しました。
晴明の名は、現代でも多くの文学作品や映画、漫画などで取り上げられ、日本文化において重要な位置を占めています。
陰陽師としての安倍晴明の影響力
安倍晴明は、陰陽師としての卓越した能力で知られています。
特に、式神使役術は、後世の陰陽師に大きな影響を与えました。晴明の能力は、自然現象や災害の予知、悪霊祓いなど、多岐にわたる分野でその力を発揮し、人々からは畏敬の念を持って見られていました。
安倍晴明の伝説は、後世の陰陽師たちにとって、学びや模範となるものであり、晴明の技術や知識は、陰陽道の発展に大きく貢献したと言われています。
式神とは:陰陽師の霊的な使役者
式神の基本概念と種類
式神とは、陰陽師が霊的な力を用いて使役する存在です。陰陽師のような特別な人間以外には、目に映ることはなく存在を確認することはできません。
式神は、主に霊的な力を持つ紙や藁などで作られた人形に宿り、陰陽師の命令に従って「災難払い」「雑用・掃除」などに利用されていました。
式神にはいくつかの種類があり、その中でも「陰陽師が霊的に創り出した式神(思業式神)」、「紙や藁で作られた人形に霊を宿らせた式神(擬人式神)」、「元々存在する霊的な存在を陰陽師が屈服させた式神(悪行罰示神)」の3種類が言い伝えで残っています。
安倍晴明による式神使役の特徴
安倍晴明は式神を操るのがかなり上手く、式神使役術の最高の使い手であったとされていました。
また、晴明の操る式神は、様々な超自然的な現象を起こしたとされ、他の陰陽師とは一線を画していました。
そんな晴明が従えていた代表的な式神「十二天将(じゅうにてんしょう)」が、安倍晴明にとって欠かせない存在だったとされています。
安倍晴明が使役した十二天将
安倍晴明が使役したとされる十二天将は、それぞれ特徴・象徴を持っています。
騰蛇(とうだ)
十二支:巳
吉凶 :凶
十干 :丁
陰陽 :陰
方角 :南東
蛇の姿をした中国の神獣。羽が生えており炎をまとっている。驚きや恐れを象徴する。
朱雀(すざく)
十二支:午
吉凶 :凶
十干 :丙
陰陽 :陽
方角 :南
朱い鳥の姿をした中国の神獣。朱鳥とも呼ばれる。四神の一つ、南を守護する神。
六合(りくごう)
十二支:卯
吉凶 :吉
十干 :乙
陰陽 :陰
方角 :東
平和や調和、交際、交流などを司る神。
勾陳(こうちん)
十二支:辰
吉凶 :凶
十干 :戊
陰陽 :陽
方角 :南東
金色の蛇の姿をした神。京の守護を担っており、闘争や争いを象徴する。
青龍(せいりゅう)
十二支:寅
吉凶 :吉
十干 :甲
陰陽 :陽
方角 :北東
青い龍の姿をした中国の神獣。四神の一つ、東を守護する神。
貴人(きじん)
十二支:丑
吉凶 :吉
十干 :己
陰陽 :陰
方角 :北東
十二天将の主神。天一神、天乙とも呼ばれる。最も強い吉を持ち、福徳を司る。
天后(てんこう)
十二支:亥
吉凶 :吉
十干 :癸
陰陽 :陰
方角 :北西
天帝の后。人々を守り航海や漁業の安全を司る女神。女性を象徴する。
太陰(たいいん)
十二支:酉
吉凶 :吉
十干 :辛
陰陽 :陰
方角 :西
少女の姿をしていると言われている神。清潔、清純を象徴する。
玄武(げんぶ)
十二支:子
吉凶 :凶
十干 :壬
陰陽 :陽
方角 :北
亀と蛇が組み合わさった姿をした中国の神獣。四神の一つ、北を守護する神。
太裳(たいじょう)
十二支:未
吉凶 :吉
十干 :己
陰陽 :陰
方角 :南西
天帝に仕える文官。善や喜びの神。
白虎(びゃっこ)
十二支:申
吉凶 :凶
十干 :庚
陰陽 :陽
方角 :南西
白い虎の姿をした中国の神獣。四神の一つ、西を守護する神。
天空(てんくう)
十二支:戌
吉凶 :凶
十干 :戊
陰陽 :陽
方角 :南西
十二天将で最も卑しい性質で、霧や黄砂を呼ぶと言われている。
安倍晴明と式神の文化的影響
文学や芸術における安倍晴明と式神の表現
安倍晴明と式神は、日本の文学や芸術において様々な形で取り上げられてきました。
例えば、古典文学においては、『今昔物語集』や『宇治拾遺物語』などに安倍晴明の活躍が描かれています。これらの物語では、彼の霊的な力や式神を使役する様子が詳細に描写されています。
また、安倍晴明を題材にしたゲームや漫画、アニメ、TVドラマ、映画なども多数制作されており、現代においても人気を博しています。これらの作品では、安倍晴明の伝説や式神の神秘性が、現代的な視点で再解釈され、多くの人々に影響を与えています。
現代における安倍晴明と式神の人気
現代においても、安倍晴明と式神の人気は高く、様々なメディアやイベントで取り上げられています。
例えば、羽生結弦選手がフィギュアスケートのプログラム「SEIMEI」で安倍晴明を演じたことは、多くの注目を集めました。
このプログラムは、安倍晴明の神秘的なイメージを現代のスポーツに融合させたもので、羽生選手自身も認める最高プログラムのひとつとなっています。
さらに、五輪公式YouTubeチャンネル「Olympics」に配信されている「SEIMEI」の視聴回数が、2023年11月時点で3300万を突破し、現在もこのプログラムの動画視聴は伸び続けています。
まとめ
今回は、安倍晴明と晴明が使役したとされる神秘的な式神についてご紹介しました。
安倍晴明の時代から1000年以上経った現代社会においても、様々な形で取り上げられるってとてもすごいことですよね?
ぜひ参考にして、安倍晴明が取り上げられている文学や芸術に触れてみてくださいね。
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